BARBER IZUMI 開業ブログ

理容師という仕事についてから夢であったバーバー(理容室)を開業するまでの記録を載せています!この度、2016年、2月3日にオープン致しました!応援よろしくお願いします!

マスター逝く

1週間前の金曜日、2月12日午後4時頃、僕が高校を卒業してから13年間勤めていたシェル理容室のマスターこと、西村先生が73年間の人生に幕を落としました。


西村先生、マスターは、約13年前に直腸癌が見つかりました。その時の癌は、手術によって取ることできましたが、その後、約7年前に再発し、癌は、両肺にまで転移していました。


それから、約6年間、抗ガン剤治療を受けながら、マスターは仕事を続けてきました。


そして、約1年前、抗ガン剤治療の効果が思ったように出ず、去年夏頃、在宅医療に切り替わりました。


当時担当していた先生からは、年内は、今まで通り仕事が出来るだろうと言われていました。


事実、去年の年末までは、仕事量を減らしながらも、お店に立ち続けていました。


そして、今年に入ってから、予約制を取り入れ、無理なく仕事を続けていく体制を取っていたようでした。


僕は、マスターがそんな状況にあるとは梅雨知らず、自分のお店を無事に開店させる事に精一杯でした。


そして、お店の準備が整った2月2日、保健所の検査を受け、開設許可がでたので、報告に向かいました、その日は、火曜日でしたので、マスターは仕事をしていました。


少し痩せているようでしたが、なんとか仕事を出来ている状態なのかな?と、感じ、僕は、体調の良い時に店を見に来て下さいと伝えました。


それから、マスターは完成した店を見ることなく、その週の土曜日まで仕事をしたのち、急変し、入院。


それから数日で亡くなくなる事となりました。



最後の最後まで、マスターは素晴らしい職人として生きました。


それを感じたのが、14日に行われたお葬式の時です。


その日は、マスターの親族は勿論のこと、地方からマスターのお弟子さん、僕にとっては、大先輩の方々が大勢来られ、マスターの修行時代の旧友も出席されていました。


当日は、日曜日ということもあったでしょうか、町会の方々が大勢来られていました。


ほとんどの方々が、最後の最後までシェルに通われていた方、以前通われていた方でした。


その中に、マスターが亡くなる1週間に散髪してもらったという方がおられました。


僕は、その方の頭を見た時、マスターは、最後の最後まで、丁寧な素晴らしいカット技術を、お客様に提供していたんだ!と…


マスターは、本当に素晴らしい職人だったんだと、改めて強く思いました。


僕は本当に幸せものです!


こんなに素晴らしい技術を13年間、間近で見ることができたのですから。



そういえば、マスターが亡くなったと、聞いた金曜日の晩、マスターが夢に現れました!


その景色は、今でも鮮明に覚えています。


それは、マスターがお客様の頭を刈っている姿を僕が後ろで見ている状況でした。


それは、僕がシェルに勤めている間、長い時を刻んだ光景でした。


それはただ、マスターがお客様を刈っている姿ではなく、マスターが、お客様の頭を刈り上げている技術をしっかりと盗もうと必死で見ている僕の視点でした。


マスターは、ゆったりとした刈り上げスピードで確実に髪の毛を捉え、確実に切っていくといった、マスターの師匠である、勢力弘道先生譲りの技術でした。


何故、そんな夢を見たのか…


実は、店を開店してから悩んでいた事の答えでした。


悩んでいた事、それは、マスターの技術を13年間も見てきた事もあり、いい仕事が出来るようにはなったなと思ってはいたのですが、時間がかかることに悩んでいました。


マスターはといえば、いい仕事を、短時間で行うことができ、僕は、そこを悩んでいました。


その答えとして、僕にはまだ、確実に髪の毛を捉え、確実に髪の毛を切るといった事が出来ていなかったんだと…



時間に追われ、手を早めるのではなく、確実に髪の毛を捉え、確実に髪の毛を切るといった、基本的な技術を目指さないといけないんだ!


と、改めて思う事の出来た夢でした。


この夢は、一生忘れることはないでしょう。


いい仕事を、短時間、時間内で提供する!


これが、僕の目指す、終わる事のない究極の目標です!


僕は、まだまだ修行が足りないようです。


確実に髪の毛を捉え、確実に髪の毛を切る!


いい仕事を時間内で提供する!


ここに向かって日々経験を積みながら、少しでもマスターに追いつけるようにしたいと思います!


マスターに、修行中、なんども言われた、もうちょっと早くしろ!を言われることのないように頑張ります!


天国から見ていて下さい!


マスターには、本当に感謝しています!


ありがとうございました!!

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